ピンズで見る経済史
ピンズは実に様々な局面で活用されています。特に経済的な動きとリンクしています。
オリンピックのスポンサーの変遷などは如実にその時代を表しています。
1984年のロス五輪あたりから見てもその顔ぶれは驚くほど変わっています。
五輪スポンサーは契約金や運営協力で巨額の資金が必要となります。
ということは、その時代に勢いのある企業が契約することが必然でしょう。
また、そのスポンサーの商品がデザインされたピンズも多くリリースされます。
特に電気製品なんかではその時代では最先端でも、すぐに「レトロ化」します。
ピンズを見て「あー、懐かしいなぁ~」ということも結構あります。
五輪のみならず他のスポーツ大会、イベント、販促ピンなどでも同じことが言えます。
前回、前々回の記事もそうですが、今回ご紹介のピンズは特にそれを感じます。
Mita "PointSource" 「コピーはミタ」というフレーズをご存知でしょうか。少なくとも30代以上の方は、はっきりと覚えておられるでしょう。かつて業務用複写機を製造していた三田工業のCMでのうたい文句です。
斬新な演出かつ社名=ブランド名をシンプルに訴えるという効果的なCMでした。
複写機製造メーカーとしては中堅でしたが、知名度はそれ以上だったと思います。
しかし、デジタル化への対応遅れや経営上の問題で1998年に倒産してしまいました。
いくら宣伝が効果的でも製品や経営体質がお粗末では成り立たないということです。
そして2000年に京セラが経営母体となり「京セラミタ」として再出発したのです。
「ミタ」の名前を入れたのは欧州での知名度が高かったからだと記憶しています。
とりあえず社名が残ったのは、かつての広告戦略も大きく寄与していたのでしょう。
ただピンズの社名ロゴは、倒産以来ピンズ以外で見た記憶がありません。
そう、ピンズは経済史的に見ても貴重な資料の宝庫であると言えるでしょう。
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