ピンズのセンス
ピンズの製作というのは、実に多くの要素で成り立っています。
材質、厚み、製法、モチーフ、配色、大きさ、、、
細かく言うと、裏地の表面処理、刻印、留金具、等まで及びます。
抜き、重ね、可動といった、よりオプショナルな選択もあります。
簡単に言うと、より良いデザインで、全てにおいて、最高の仕上げがベスト。
しかし、ノベルティ、特に一般に広く配布するものではそうもいきません。
もちろん、販売ピンズでも際限なくという訳にはいきません。
たまに「純金製ピンズ」なんかが、数万で売られているのを見ますが、それは例外。
別に高いからといって、センスが良ピンズ、という訳ではありません。
普通、決まった予算というものがあり、大概、どこかで妥協をしています。
その中で、良いピンズを製作するのかは、センスが必要です。
CITROEN DES VOITURES STARSシトロエンは、フランスの自動車メーカー。1919年に、自動車の大衆化を目指して設立。技術的にも、新技術を積極的に採用する事でも知られています。その独創的な発想は、広告においても発揮され、エッフェル塔に「通天閣の日立」の如く電飾されていた時期もあります。(リンドバーグの「翼よ、あれがパリの灯だ」という名言の元)
また、ニューモデル発表と同時に、精巧なミニチュアの販売もしています。
つまり、それを買う子供達が将来の顧客になることを見込んでいるのです。
このピンズにも、シトロエンの広告に対する姿勢が見えます。
遠近法を使って、広告対象の車をむしろ、小さく見せているのは粋です。
マダムの、スリットの入ったロングドレスが印象的です。
大人の雰囲気を出し、それでいて下品にならないところも流石です。
そして、ピンズのメーカーはArthus-Bertrand。
自分が将来ピンズを作る際、大いに参考になりそうです。
いつか、そんな日を楽しみにさせてくれるピンズのお話でした。
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